ワイルドバンチ150人相手にしゃかりきやり合う北沢龍平

蛇は一匹でいい。


だらりと北沢龍平の日記を公開開始。

とりあえずここ2〜3日の買い物日記などから始める。

DVD:「食人族アルティメットコレクション」購入。
特典のメイキングが秀逸。真摯に偽ドキュメンタリーを造りあげた
イタリアの巨星たちの真実のドキュメント。
映画を熱烈に愛し、現在のイタリア映画産業を衰退に追いこむ
悪しき時流に嘆き、自分達のしてきた事は常に、挑戦とクリエイト
であるという自信と誇りに満ち溢れた崇高な男たちの素晴らしき
肉声が聞ける貴重な映像資料。

イタリアで「ブレアウィッチプロジェクト」が公開された時、
一人の若者は「こんなのとっくの昔にデオダ-ドがやっている」と
言い捨て、オリバー・ストーンは「BWPでは巨額の収益が制作
者たちのポケットに転がり込んだが、デオダ-ドは「食人族」で幾ら
手にする事が出来たというのだ!!??」と憤慨した。

セルジオ・レオ-ネ、ルチオ・フルチ、ルッジェロ・デオダード、
昔イタリアは世界へ偉大な先駆者たちを多く送り出していた。
いまや彼らのような先駆的映画人はイタリア映画界には存在しない
という。

過剰なまでに仕組まれたギミックのせいで映画は裁判沙汰にまで発展し、
上映禁止とフィルム没収という憂き目に遭いながらも、世にも無残な地獄
絵巻を斬新な演出と独自の感性で造りあげた孤高の天才、
ルッジェロ・デオダード。

そのインタビューの最後は、リズ・オルトラーニが傍らにデオダード
が立つ中、「食人族」のスコアをピアノで弾きあげ、自分達の
創造した時代に区切りを付けたかのように、一言「20年が経った」と
呟いて終わる。このシーンが最高に感慨深く感動的で、観ていて涙が出た。

コロンビアの秘境で殺戮残虐食人映画を撮った男たちのオデッセイ、
アマゾン川を上るデオダード監督の姿を映し出す本ドキュメンタリーは、
まさしく「ハート・オブ・ダークネス」、デオダードの「地獄の黙示録
に他ならない。


ちなみにリズ・オストラーニのサウンドトラックが特典ディスク中に
収録されている。音楽家自ら先駆となり、電子音を主旋律に用いるなどの
試みがなされている。完成されたその曲は、実に胡散臭い、見事に
映像にマッチしたメロディーである。
まさにリズ・オストラーニこそ食人映画音楽界のエンニオ・モリコーネである。