又野誠治さん、優作さんのもとへ。

クライムハンターの獣気俳優と評されて久しかった俳優又野誠治さんが
お亡くなりになられた。自殺だった。


次第に映画の世界から疎遠となり、自分の周りからも熱を失っていった
男の、どうにもならない荒涼感に晒された心が、こういう選択をさせて
しまったのだろうか。僕ごときに解るはずも無い。



テレビドラマが「映画」である事を止め、時代は松田優作のような俳優の
存在意義を失い続け、残ったのはその演技ではなく、スタイルだけだった。
時代の気分で若い世代に一時期優作さんのスタイルが流行ったが、優作さんの
演技まで観るものなどはいなかった。
演技者松田優作を必要としない世界は、優作さんを求めて走り続けた俳優たちに
とって、走り続ける価値も無い荒野のような虚しい世界だったに違いない。



僕はただ、「いつかギラギラする日」の続編企画、「非合法大陸」が
観たかった。