「HELP ALIVE INSIDE」

ドーン・オブ・ザ・デッド」を観た。
素晴らしい。最高。



イントロからもう痺れた。
恐慌を起こし、悲鳴を上げる街の俯瞰映像。
ニュース映像を巧みにコラージュした戦慄の序奏。
なにかしらかの宗教寺院での集団礼拝の荒れた画像がインサート
される辺りなんかはもう天才的なコラージュ編集演出である。
この映画の観るべき点はこの辺にあるのだと思う。
ナニ食ってりゃあんなに元気に走り回れるのかって具合の全力疾走で突撃してくる
ゾンビの大群と、それに抗する人間のサバイバル殺戮劇も強烈に凄まじくとても
愉しめたけど、、やはり荒れた画像の巧妙な挿入が非常に良かった。
これは「ゾンビ」的というよりも、やはり「食人族」的な演出である。
天才デオダ−ドの戦慄のドキュメント演出を、見事21世紀のゾンビ映画
復元してみせた映像魔術、これは必見。




僕は常々、オリジナル版「ゾンビ」の世界に住みたいと思っていた。
誰もいないショッピングモール、ドン臭いゾンビによって外界から隔離された
中でだらだら暮らせたらさぞ愉しいだろうという、「廃墟楽園居住願望」
である。「ゾンビ」の魅力はここであり、「ゾンビ」という映画が大好きな一因
でもある。「うる星やつら2」も同じような指向の映画だと思ってる。
しかし「DOTD」におけるゾンビの恐怖と、死との距離はあまりにも逼迫し、
ガチ過ぎた。この世界で悠悠自適に生き延びるのは至難。
こんな世界では死んだモノ勝ちだ。ゾンビが勝ち組だと思わせてしまうほどに
「DOTD」のゾンビは強い。絶望と死そのものだ。
この強烈な負のエネルギーが、焦燥と絶望と死を撒き散らし、さらに映画を
苛烈なものにしている。
「この世界では生き残れない」と思わせたこの映画は、最高にガチ。






とにかくこの映画は素晴らしかった。とても興奮した。