職業：「紛争屋」 - 『メイド喫茶サンダードーム３６房』日記

「武装解除　紛争屋が見た世界」読了。
巷で語られる戦争論がいかに無駄かが解る現場本位の本。
現場の事は現場の人間にしか解らない。

著者が東ティモール、シエラレオネ、アフガニスタンで実施した紛争処理、
ＤＤＲ：武装解除・動員解除・社会再統合の現場記録。
今まで見聞きした平和活動のなかで、一番理に適った現実的な活動。

その活動の中で描かれる戦争当事者とそれに関わる戦事介入者たち。
読めば読むほどに世界は上から下までエゴで塗れている。
そのエゴが貧困や宗教などを利用して戦争を発生させ、継続させる。
人間の本質はエゴであり、それは戦争を産む。
人間は戦争を忌避するのと同時にそれを希求する、とても難儀な生き物なのかもしらん。
戦争はなくならん。

人間に出来る事は、戦争の永久放棄ではなく、始まってしまった戦争をいかに迅速に
終結・処理するか、ということしかないのかも。
この本を読んでなんとなく解った。ような気がする。

「正義」と「平和」が等価ではないという現実。実に難しい世界。

本書の一舞台となった東ティモールに派遣されてたＺＥＫＥのＰＫＦ土産。
平和はメイクする事より、キープする事の方がはるかに困難だ。

ちなみに、この著書の中の現実を見事に描いたアニメ作品がある。
「ガンダムウイング：エンドレスワルツ」だ。
武装解除・動員解除・社会再統合。
ガンダムＷでは、最終的にガンダムさえも爆破解体され、地球圏から兵器という兵器を
消滅させている。
非常に優れた作品なので、下らん萌えアニメ眺めてる暇で観るが良いと思うよ。