「ジュウクンド―vsジャアクンドー」

レンタルビデオデカレンジャー劇場版を借りてきて鑑賞。
「ターミネ―ター」「MI2」にいろんなモンをまぶしてジョン・ウーで仕上げたような内容。
テレビシリーズと並行してよく撮ったもんだと思う。


冒頭、なんとなく日本映画特有の陰湿な病理サスペンスタッチの幕開け。
そして機械の軍隊が蹂躙するターミネ―ター冒頭の未来シーンのような光景。
映画っぽい。


今回の敵は機械生命体アリエナイザー犯罪グループ4人組。サイロンだ。
謎の生体機械化ウイルスとそのワクチンで一儲けを企む。「MI2」だ。
機械生命アリエナイザーのボスはジャアクンドーマスターの2挺拳銃使い。赤いのと銃撃激突。
なんか知らんが、このボス、自身満々な発言を繰り返すも、次の瞬間には覆されてる事多し。
きっと自動車を運転する時なんかは、いつも「だろう運転」なんだなと思う。
「かもしれない運転」を心がけた方がいいですよ、と助言したくなる駄目ボス。
クライマックス、「貫通しないだろう」が貫通した時には、教習所からやり直せと思った。


観てて少々気になったのがアクションの散漫さ。
意味の無いアクションが点々と。
一番上手くないと思ったアクションが、赤いのが銃撃で床に孔を空けて階下に飛び込むシーン。
赤いの、折角のアクションになんの展開も与えずそのまま同じ孔から飛び出してた。
これは良くない。
孔から階下に下りたら、そのまま階上の敵と床を挟んでブラインドでの銃撃戦が正しい。
床にバカンバカンに空く弾痕、これよ。


あと惜しかったのが犬の長官。ヘリでの登場シーンはまるで「団長」。ならば団長になりきるべきだった。
グラサンで銃はポンプアクション。斯くあるべきだった。惜しい。



さらに言えば、「銃撃アクションは火力勝負」。ロボット軍団対フルブラストデカレンジャーロボ
の火力戦では、もっとでっかくマズルフラッシュを描くべきだった。
スマートガンももっと丁寧に見せて欲しいかったし、最後のラストショットでは、
もっとロングバレルの銃身でドカンとやって欲しかった。


逆に良かったシーン筆頭は、駄目アリエナイザーボスと赤いのが超至近で2挺拳銃を撃ち合い、
無数の弾丸が空中で衝突してバラバラ落ちるシーン。
まさしく北村龍平監督の「VERSUS」で、坂口拓榊英雄が見せたあの名対決の再現。



面白かったけど、惜しい点も多々あった。
テレビと並行して制作してるのだから仕方ないのかもしらんけど。


ラストシーンでの赤いの、満面の笑みで「うんっ!!」って。子供かお前は。
でもそれが赤いのの良いところ。




巻末の予告で「デカレンジャ―vsアバレンジャー」。「アバレ」、あんまり観た事無いけど
なんか面白そう。
ジャスミンたんが妙ちきりんな踊りをおどってる。愛らし過ぎる。
犬の長官、「宇宙広域暴力団」発言。さすが三角マークの映画会社の特撮映画は言う事が違う。
しかもこのタイトル、ソフトのジャンルが「Vシネマ」だ。カッコ良すぎる。是非観たい。

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