ニンテンドーウォー

深夜。
日テレにてゲームで描かれる戦争をテーマにしたドキュメンタリー番組放送。
様々なクリエイターと作品によって語られる戦争。


電子ゲームは、発生過程からすでに戦争と深い関わりを持っていた。
世界初の電子ゲームは対戦型テニスゲームだったという。
製作者はマンハッタン計画に参加した科学者。
放物線を描くテニスボールの動きは、核弾頭の弾道曲線演算を応用して描画される。
ゲームは核戦争の副産物として生まれていた。


インベーダーゲーム開発に際し、当初インベーダー:「敵」は「人」型が考案されていた。
「人が人を殺す」、これを嫌悪した首脳内からの反対により、敵は宇宙人となった。


多くのゲームが「闘争」で構成され、戦う事はゲームの本質とも言える。
「戦争」を遺伝子的にその内に抱えるゲーム。
それを開発するクリエイター達が、向き合わざるを得ない「戦争」という表現。


そんな番組中で大きく取り扱われていたのが、まさしく小島秀夫監督と「メタルギア」だった。
小島監督の語る「戦争」と「反戦」。監督は戦争は永遠に続き、無くなる事は無いと答える。


戦闘経験などの表層的な「戦争」体験ではなく、「戦争」が持つ本質的な意味をユーザー達に
いかに「伝える」か。
「小島の説教」を求めないプレイヤーが現実に存在する現状において、
小島監督は「戦う理由:暴力の向こう側を見る」事を求める。


番組最後にはザ・ボスがビッグボスに兵士にとっての戦争を語るシーンが挿入された。
時間にとらわれない絶対的な敵は存在せず、常に敵は相対的に変化する人間であると
語るザ・ボス。
時局で敵が変わるという激流に翻弄される兵士。
そしてビッグボスの到達した答えは兵士達の楽園・「アウターへヴン」であった。



「戦争」とはなにか。定義はあっても本質的な解答は無いのかもしらん難しい話。