『ニュークリア・レディ』

だらだら。
兵頭二十八先生の『ニッポン核武装再論』をながめる。


核開発に関して今までまるで関心がなく、なにも知らなかった
勉強不足のオイラにとって初めて見聞きする事ばかりだが、
どうやら我が国は条件さえ揃えばいつでも核武装をする気でいるみたいだ。



核拡散の懸念を持った高速増殖炉
合衆国の圧力に抗してまでこれに拘った我が国の思惑。




核武装に必要なプルトニウム239を、我が国はいつでも抽出できる。』



自前の戦争を抑止するには、自前の抑止兵器が必要である。
我が国周辺の軍事状勢が均衡・膠着状態で平和を維持できているのは、
いうまでもなく合衆国というタガが有効に機能しているからに他ならん。
合衆国の存在は平和維持の絶対条件となっている。
我が国がこの友人の核の後ろ盾を失った時、かの国は強大なミリタリーパワーによる
軍事侵攻、もしくは核による報復という懸念から完全に解放される。
核使用に関して最大の懸念とは、人道的な観点から発生する問題ではない。
同じような大量破壊兵器を、報復として自国に撃ち込まれる事が最大の懸念なのである。




アメリカ合衆国さえ撤退すれば、非核国家日本に対して、かの国はいつでも
人工衛星と称した核弾頭を発射する事ができるのだ。




合衆国に依存して成立していた『相互確証破壊』というルールが崩壊した時、
我が国を効率的かつ実効的、現実的かつ有効的に守れるのは、我が国自前の核兵器
による先制攻撃の抑止以外にない。



頭の悪いオイラはこの考えに納得してしまってるのだが、どうなんだろう。
小学生の頃、社会科の授業で左翼傾向の女教師に『核抑止は際限無き軍拡に拍車をかけ不毛』と
教えられたものだが、世界中が高度な軍事武装を果たすなか、我が国だけ取残されるのも危険だと
子供ながらに思ったりしたもの。


軍事的優位の高い方が良いに決まっているのは子供にも解る。
オーバーキルは不毛だとして、抑止としての核は軍事均衡にとって重要なマテリアル。
大昔から言われている事だけど、核兵器は実際に使用する事よりも、持つ事に意義がある
駆け引きの道具。神経戦用の特殊兵器だとも言える。


しかして現実には『実際に戦争で使ってみよう』的な低出力、低汚染の通常兵器感覚な
核兵器も存在したりして色々だったりする。



核戦備、なかなか難しいわい。