ザ・デイ・アフター

ぶらりとDVD漁り。
アトム・エゴイヤンの『秘密のかけら』と
ABC制作のテレビ映画『ザ・デイ・アフター』購入。



『秘密のかけら』、目当ては劇中の『不思議の国のアリス』レズシーン。
金髪のアリスがスカートをたくし上げて
ガーターとショーツを露わにし、
後ろからエプロンドレスを脱がされ色素の
薄い儚げな胸がぽろり


コスチュームの魔法。
アトム・エゴイヤンは『エキゾチカ』から
この魔力を知っていた。




『ザ・デイ・アフター』、
言わずと知れた核戦争シミュレーションドラマ。
前段の核戦争にいたる状況アクションは
今でも手に汗握る緊迫感。
核ミサイル射撃シークエンスはジョン・バダム
『ウォーゲーム』とほぼ同じ。
当時アメリカ映画は意図的にリアルな
核ミサイル射撃行程を挿入していた。
これは合衆国政府による東側への核兵器管理に
対する注意喚起だったらしい。


『核射撃はこのように厳重管理して下さい』
といった指導をソ連に与えたものだそうな。


核攻撃の惨禍はまず高空での爆発によるEMP効果から始まる。
電磁パルスで電子回路が焼き切られ、
あらゆるものが制止したパニックの中、
次いで核のインパクトがカンザスを襲う。
爆心地から爆風が高速で広がり、グランドゼロが
真空状態と化す。
そこへ大気がなだれ込み、破壊された街並みを
再び揺らす。
圧倒的な破壊力。


立ち上るキノコ雲。揺れる大地。
一瞬にして人が蒸発して消滅する膨大な熱量。


後段においては核兵器の残す爪痕の悲惨さを延々と描写。
全面核戦争なのでもはや国家は壊滅、
残された人間には一切の救済がない。




『勝利』が存在しない戦争スタイルだったので
結局米ソとも全面報復核戦争を試すことも無く
冷戦は終結した。



いま問題なのは、そういった戦争の損得勘定が
出来ない連中が核武装をする事。


我が国はそういった連中と戦争する覚悟を
常に決めておかなければならない。





悲しい事にこの国は反射神経でしか戦争が出来ない。
戦争放棄という無責任な脳死状態にあり、
自衛隊に過酷な現場判断を強いてしまうのが
この国の防衛の現実。


防衛に関わる軍事行動に国家の正義が
与えられてないのは問題。


祖国防衛のために戦い死ぬ自衛隊が、
違憲の軍事力として無神経かつ無責任に糾弾されるのは甚だ遺憾。



自らの力で防衛を担う事の出来ない国家が
国民を守り抜く責任をまっとうできる
独立国家であるわけがない。


対話外交にすべてを委ねて非武装たらんと
するほど無防備でいられる情勢にあるとも
思ってないし、国家間の信頼関係はそんな
理想どおりにはいかない。


理想を現実にする努力は重要な事だけど
理想だけを見て現実を見ないのはただの夢想。