東宝怪獣談義

だろり。
DVDの山をごそりごそりいじってたらば、以前中古で買った
ゴジラ大怪獣総攻撃』の特典DVDがにょろり。
特典ディスク3枚目に『東宝怪獣談義:品田冬樹・村川聡・樋口真嗣神谷誠押井守』とあるので
じょるーんと再生。


開始早々品田冬樹の工房を神谷誠が竹刀、樋口真嗣がヌンチャクを手に襲撃。
ちなみに村川聡は椿を持ち、押井監督のみ手ぶらで世露死苦参上。
それぞれがオカシげな肩書きで紹介されるが、唯一押井監督のみ
まったくゴジラ仕事に携わっておらず、金子修介監督の先輩以上の
肩書きがないかと思われたが、『うる星やつら2でゴジラ一作目を忠実に再現したアニメ監督』
という微妙な肩書きを樋口監督がとっさに思いつく。
『なんて儚い関係』と押井監督。


以下面々がロクでもない雑談を面白オカシげに繰り広げる。
怪獣映画とポルノ映画は同一構造であるという理屈に達し、
しかるに東宝怪獣映画は何故お色気シーンを忌避するファミリー路線に
陥ったのかという話に。
押井監督曰く『怪獣という最大級の暴力には女がセットであるべき。
なんとなれば怪獣映画とは怪獣・女優・東宝ダンシングチームで出来ている』と語る。
フロアダンス愛好家の一面をちらり。
地球防衛軍』の白川由美の入浴シーンとモゲラこそが東宝特撮の
原体験であるところの押井監督(一作目を劇場で観た時はまだ幼く、
しばらくゴジラとモゲラの記憶が混同されていたとも)。
かたや樋口監督はメカゴジラのアンドロイド少女のポロリがエロいと騒ぎ、
押井監督の『ヘドラは何故テレビでなかなか放送されないのか』という疑問に
『女性器を模したデザインが問題なのでは』と場内紛糾。


昔の娯楽映画では群舞シーンが必ずあったといえば
神谷誠が思いっきり『土人』と発言。直後自身でピー音を入れるもアウトである。


怪獣映画から東宝ダンシングチームやお色気が淘汰され、
怪獣が本編中延々暴れるのは映画として許容可能かという話に、
樋口監督『それを可能と証明したのがブラックホークダウン』と語る。
戦争シーンのみで映画ができあがってる餡のみのあんパンは果たして
あんパンとして成立するのかという議論に神谷誠は餡のみのあんパンを
否定的に捉える。


後半、神谷誠による東宝サイドの特撮現場無視・無理解への恨み節炸裂。
カット覚悟で押井監督も『ヴィジュアルの明確でない監督や製作は
現場でそれを解決しようと投げ出し、それが現場を混乱させる』と
『無能なのは兵隊にあらず。指揮官である』発言。
明確なレイアウト構成による画造りを信条とする押井監督らしい物言い。


樋口真嗣神谷誠の恨み節に『虫が飛んでいる・・・』とあらぬ方向に
視線を漂わせ知らぬ顔。
『昆虫大戦争』秋山ジョージの毒虫戦法の実践がここに。