ガバメント紳士
めつらしく会社を定時退社。
ぶらり寄り道してマニアック玩具屋に有害玩具銃を眺めに行く。
ショウケースの中でピカピカ光るWA製ブローバックM4やら再販のボブ・チャウを眺める。
しかめっ面して有害玩具銃をジロジロしてたらば、
隣に立ってたおっさんが話しかけてきた。
なんやらいままで遊んでたMGCガバメントモデルガンがぶっ壊れて、
久方ぶりにこういった玩具店に足を運んだそうだがMGCのパーツが何処にも見当たらんという。
パーツどころかメーカーがもう無いですよと教える。
さすがにMGCに問い合わせてもなんの応答もないので
メーカーがすでに存在しない事は知っていたみたい。
話し方がスマートなおっさんだったのでしばし話し込む。
かなり年季の入ったガンマニアではあるけど、MGC盛期で完全に時間が止まった浦島太郎状態のおっさん。
ガバメントが好きだという事で話も弾み、ついでにウエスタンアームズの1911製品の
素晴らしさについて一頻り吹き込む。
国本圭一からはビタ一文貰っていない。
問題のガバメントをガンケースに入れて持参していて見せてくれた。
パーティングラインを丹念に消し、グリップパネルやらを交換した1911。
なるほどバレルのリンク部分がへし折れている。
パーツそのものを手に入れるか、パーツ取り用の銃を手に入れるしかないが、
あいにくこの店ではMGCのパーツは扱っていない。
最も近場で蒲田むげん、もしくは高田馬場アンクルならもしや、と教える。
『アンクルってまだあるの!?』と驚かれた。
アンクルが何時の頃からあるのかは知らんがまだある。
有害玩具銃ブースでおっさん二人、ごにょごにょ話込んでたら
ガンマニア店員が顔を出し『いいモン見せたげましょう』とこれに乱入。
ショウケースを開陳し、取り出したるはお値段15万円也の六研ガバメント。
『買わねえぞ』と念を押すと、どうやら売りモンとして置いてる訳ではなく、見せびらかしとして飾っているモンらしい。どんな商売だ。
おっさん、六研ガバを握らせてもらう。実銃のフィーリングだと大喜び。
なんでもその昔メリケン本土まで出向いて1911実銃を撃った事があるそうな。
オイラ・おっさん・店員3人揃ってガバメントガバメントと騒ぐ。
このご時世に。
気が付けば。
ウエスタンアームズ1911ボブ・チャウスペシャルを買っちゃってる始末。
新手の催眠商法か。
思いがけず愉快な寄り道の夜。
おっさんのMGCガバメントが直りますように。