ダイアリオブザデッド

死者の昼下がり
セックス犯罪の坩堝・威怪侮苦露。


観たり『ダイアリオブザデッド』。

映画館前。『死霊のえじき』デコレーションで小粋に演出。そんなシーンは見当たらんかったが。
上映前、唐突に流れる鬼太郎予告編に場内失笑。
続くトレイラーでリドリー・スコット×西新井の新作。『スパイゲーム』みたいでちょろり期待。
あとは男前ベニチオ・デル・トロゲバラ映画とスピルバーグに怒られた男のお笑い映画、
『SAW』新作、『復活の日』みたいな邦画の予告。


本編、手持ちカメラの食人族スタイル映画で若干酔う気がしないでもないけど
ソダーバーグの映画よりはマシだった。
メディア批判・社会風刺を含んだ社会派と評されその作品を語られてきたロメロゾンビ映画だけど、
今作はそれがよりあからさまになっている。
正直過去のロメロ映画にその手のメッセージ性をあまり感じた事はなく、また
それらのテーマは正直どうでもいいと思っていたが、愚鈍な感性にもダイレクトに伝わる露骨さだった。
デ・パルマの新作もこんな感じなんだろうか、と思ったり。
オイラ、モノ考えながら映画は観ない。


奇想天外なキャラクタも登場し沸かせるが、全体的に前作『ランドオブザデッド』よりも娯楽性を欠いた分
テンションがやや低いような印象。予算的なモノが画面に出たのやも知れぬ。
でも、それでもって良い悪いではないというのがロメロゾンビ映画の面白いところ。


映画を眺めていてふと高橋良輔監督の『フラッグ』を思い出した。


ゾンビ映画を観る度に思う、登場人物たちの不真面目なサバイバル行脚にイライラ。
真面目に生き残る気があるのかしら?
犠牲の何割かはどうみても未然に防げた主人公たちの過失。
無関心のせいで人が死ぬ。想像力の無さは現代人に対する批判か?
活性状態の危険物はすぐに不活性化すべき。それが出来ないなら警報くらいはだそうぜよ。
気のまわらん無神経な学生どもだ。死にやがれ。


いつの日かゾンビたちとスネーク・プリスケンが死闘を繰り広げる映画がやってくるのを夢見て。
『ランドオブザデッド』はそんな感じの映画なので大好きだ。
正直初見時にはカーペンターが撮ったのかと思ったぐらい。




『電話がこむ』は『込む』ではなく『混む』だと思うがどうか。


劇中のニュース映像に、ロス暴動時、略奪から商店を護るため拳銃を撃つ韓国人男性の姿。
当時のニュースでも繰り返し登場しメディアに晒された印象的な人物。