『平将明』
昼。
正午の刻の声も聞えぬ内から妖しげな客引きが佇む胡乱都市蒲田着。
昭和の香り漂う看板も寂れ切った寝起きの歓楽街を通り抜けPIOへ向かう。
も、京浜急行の開かずの踏み切りに直撃。
踏み切り前にて路線バスが3台も数珠繋ぎになる有様。時間通りに運行できているのだろうか?
対岸ではロードワーク中のボクサーが華麗なシャドーを見せつつ列車の通過を待っていた。
イベント開場後にゆるりと入場。
カタログ売りからして女装だった。会場を徘徊するコスプレイヤーもすべて女装。ハードコア。
しかしてそれ以外は普通のイベントだったので一安心。
女装スタッフがお菓子をくれたよ。
場内にてだらりと製本するも、早々に販売待ちの行列が出来上がってしまう。
ゾンビ殺しの片手間に造ったラクガキ本なのに。
看板人形のマシーネンセリオを取り出したる間も無く販売開始。行列分すら捌け切れず敢え無く完売。
既刊コピー、オフセットすら残らなかった。
ご購入出来なかった方々にはまことに申し訳無し。
状況開始10分も経たぬ内にやる事が無くなり、仕方なく売るモノの無くなったテーブル上に
マシーネンセリオと機動ヴィヴィーを並べてみる。
しばらくぼーっとしてるも、売り物の無くなったスペースに誰が来るわけでもなく
早々に撤退。
本日お買い上げの皆様、有難う御座いました。
帰路。
蒲田のアラモ銃砲店『むげん』に寄り道。
ショウウインドウのミニミを、トランペットを見つめる黒人少年のように眺めていたらば
通りすがりの老紳士に『これは本物ですか?』と尋ねられる。
あまりにリアルな外観の為、無可動実銃だと思ったそうな。
駅までの道すがらの選挙ポスター。
候補者名『平将明』。
『たいらのまさあき』と読むのだろうか?
落選した後、帝都を呪う大怨霊になりそうな名前。