「勝った方が我々の敵になるだけです」

だらだら。暑い。
ぬるぬると4日の日記を読み易く書き直しをしたりエマたんのラクガキをしたりして
日が陰るのを待つ。


テレビをつけると横浜の高島屋で「ゴジラ展」をやってるという。
自衛隊空中飛行戦車「スーパーX」のプロップでもあれば見に行きたいところだが。




夕方。
ふと発作的に「ゴジラ84」「ゴジラビオランテ」が観たくなりDVDを買いに行く。
ゴジラ84」に続く「ビオランテ」は、平成シリーズのなかにあって唯一の傑作である。
ちなみに金子修介監督のゴジラは平成シリーズとは別格の位置にある傑作中の傑作。


ビオランテ」においては特殊戦略作戦室と黒木特務三佐の存在が非常に大きい。
緊迫した生物災害映画であると同時に、壮絶な戦争映画としてとても愉しませてくれる。
とにかく高嶋政伸の台詞がいちいちとんちが利いていて、他のシリーズにない実に「ヤバイ」雰囲気を
醸している。


平成シリーズはとにかくこういったとんちを利かせた細部の演出がどの作品もズサン。
自衛隊関連の描写に関しては吐き気すらもよおしてしまうほどの酷いモノばかりだ。
ゴジラ2000」にいたってはその最たるもので、あの自衛隊の運用を演出した馬鹿と、それを
許した制作陣は残らず死ねばいいと思う。というよりも作品全体の演出がどれもド素人以下なので
もう細かいところをどうこう言うレベルでもなし。



そんななかにあって「ビオランテ」での黒木特佐の発言はどれも現場の指揮幕僚が発するにはストレート
過ぎて不穏当。
でもそれが全て正論で、理に適っているので聞いてて痛快。
意味のない防災状況を切り捨てて、作戦を「勝てる」状況に再構成するくだりでは
「私の仕事は敵に勝つか負けるかです」と言い捨てる。
この現場演出は、原田眞人監督の「突入せよ!あさま山荘事件」の持つ面白味にも通じるものがある。



オイラいつかは原田眞人監督のゴジラが観てみたいと思う。
「天下の三大無用の長物。万里の長城戦艦大和防衛庁のスーパーXなんて言われてね。
冷戦構造が消失して正式配備に反対してた連中にザマぁみろって言いたいね。」
なんて会話をする黒木特佐の姿を是非観てみたいもの。





今はただ、とにかく北村龍平監督の「ゴジラFINAL WARS」に期待するのみ。

ゴジラvsビオランテ [DVD]

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