「ロンギヌス」、「アンデッド」、そして「殺人の追憶」

本日もゾンビ殺戮に余念がありません。
おい!そのピクピク、まだ動いてるぞ!!!!!
死人は大人しく死んでろってんだ。



ゾンビを37564匹ブチ殺したトコロでDVD買い出しに。
本日の購入DVD。
北村龍平監督の「ロンギヌス」:映画というより、プロモーションビデオ。二日で撮りあげてる
せいか、画創りが軽くみえる。というよりも作品そのものが非常にスカスカした感じ。
北村監督が主演の櫻井敦司に気を使ってる雰囲気。それが演出にも響いているのか、
とにかく精彩に欠ける。脚本・演技・プロップ・衣装、全てのバランスがとても悪い。
少なくともどんなに低予算、短い撮影期間でも、「荒神」まではこんな事はなかった。
やはりこれは短編映画としてよりも、プロモーションビデオとしての評価にしておきたい。



しかしながら、主演の櫻井敦司に問題があるようにも見えないのだ。
実に雰囲気ある風貌で、演技未経験ながら風格は充分にあるし、とても画面に映える男だ。
やはり素材に遠慮した演出のテンション不足なのだろうか。


出演は他に、我らが榊英雄、松本実、魚谷佳苗、大場一史、片山武宏など馴染みの面々。
さらに「突入せよ!あさま山荘事件」で、軽井沢署の可愛い眼鏡の電話交換手を演じた街田しおん
ヴァンパイア役で登場。じつに意外で素敵なキャスティング。
魚谷佳苗は不思議なゴシック調看護婦衣装を披露。素敵ではあるけれども、行き過ぎたアンリアル感が
画面に馴染んでいないのもまた作品に微妙な違和感を与えているような気もする。





北村龍平監督の作品に対して、信者である僕がつまらない事をああだこうだと書き連ねるのは非常に辛い。



●「アンデッド」:遂に出た!噂の低予算ゾンビ巨編!!!!!「アンデッド」!!!!!!!!!!
予算もなんにもないのに、よくぞここまで撮ったものだと感動した。実に整った画創りで、インディペン
デントにありがちな痛い雰囲気とそれによるストレスの類はまったく感じなかった。
とにかく細部にまでトンチが利いていて、なおかつストーリーは時間の経過とともに壮大となり、
観ている間中、ずっと笑い、驚き、ツッコミを入れっぱなしだった。
ゾンビの造形も見事で、光線の加減によっては、まるで「ドーンオブザデッド」を観ているような
立派なものだった。場面によっては、それこそ「ドーンオブザデッド」さながらの熾烈さが巧く
滲み出ている。ラストシーン辺りは、もはやどちらがどっちか解らない雰囲気。
全編デタラメといってもいい内容なのに、最後の深刻、シリアスさはなかなかに絶妙で巧妙。
銃器銃撃の演出も、いわゆるサム・ペキンパージョン・ウーテイストのアプローチだが、そこに
さらに独特の味付けがなされている。初めて北村龍平監督の「VERSUS」の銃撃戦を観たような
感覚だ。劇場で観ていれば、もっと全編に「VERSUS」初見に似た感覚を感じたかも。
とにかく「ドーンオブザデッド」と並んで、最近の私的大ヒットゾンビ映画。感動した。これはお勧め。



フレディ・マーキュリーみたいなおっさん警官も出てくるよ。





韓国映画殺人の追憶」:韓国俳優、オイラはチェ・ミンシクソン・ガンホが大好き。
この映画はソン・ガンホ兄貴が主演の、韓国軍政下での連続レイプ殺人事件を題材にしたセミドキュ
メント映画。
まあとにかくソン・ガンホ兄貴が演ずる田舎刑事が無茶苦茶。犯人と目星を付けた日にはどんな
手を使っても目星を付けた奴を犯人に仕立て上げようとする。その冤罪捏造の過程が常軌を逸しすぎて、
逆にコミカル。挙げ句冤罪拘留の被疑者にマッハの勢いの飛び蹴りが飛ぶ始末。
コメディだと聞いていたので、その辺素直に笑いながら観てたけど、事件が闇の中に埋もれていくにつれ、
ソン・ガンホにいさんの表情が迫真を帯びてくる。進展しない事件を、映画的に展開させる演出が実に
巧妙。画面演出も控えめながらとても丁寧で見応えがあり、惹き込まれてしまう。
特にラストのソン・ガンホの表情は非常に味わい深くて実に良かった。
こんな良い表情が出来るのは、今はソン・ガンホベニチオ・デル・トロぐらいだ。

LONGINUS<限定盤> [DVD]

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アンデッド [DVD]

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